レスキュー ICSI

当院では体外受精を行う際、重度の男性不妊の患者でない限りなるべく自然に近い方法で受精させるために精子を卵子に振りかける方法(IVF)を行っています。

そして、受精障害を回避するためにIVFを行った全ての卵を媒精5~7時間後に観察し、精子の進入が確認できなければ顕微授精(レスキュー ICSI)を施行しています。この方法により、安易な顕微授精の施行を予防でき、さらに突然(予測できない)の受精障害に対処できます。

この方法により、体外受精で受精できなかった場合の胚移植のキャンセルを回避することができます。

しかし精子侵入の有無を判断するのは難しい例も多く、当院ではより正確に判断するために紡錘体の可視化の有無や位置関係を観察しています。紡錘体は、減数分裂する際に染色体の分裂や配置に重要な役割をはたしています。
  • 精子の侵入がない場合

    減数分裂は停止しており、紡錘体は卵細胞質内で可視されます。

  • 精子の侵入があった場合

    減数分裂が再開し第2極体が放出され、紡錘体はその中で可視されます。

これらの観察を加えたことで、より正確にレスキュー ICSI を施行することができます。そして、レスキュー ICSI は通常のICSI と優位差の少ない成績を得ていますので、レスキュー ICSI は予測の困難な受精障害に有効であると考えられます。

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